真珠湾攻撃で使用された特殊潜航艇
伊号潜水艦
ワシントン・ロンドン条約で海軍力を制限された日本は、その戦力を補うために潜水艦の開発に力を入れます。
その中で、日本独自の発想で生まれたのが特殊潜航艇です。
当時は、機密保持のために「甲標的」「A標的」「H金物」などと呼ばれ、全長24m、全幅1.85m、最大水中速度19ノット、水中航続距離148?でした。
武装は、先端部に魚雷を2本装備し、2人乗りの小型潜水艦でした。
主には敵泊地へ潜入し、偵察や攻撃に使用されました。航続距離が短いため、作戦地点まで、伊号潜水艦の甲板に搭載されて輸送されました。
作戦行動後は、乗組員を救出後、自沈処分されることになっていました。
実戦投入された中で有名なのは、真珠湾攻撃やオーストラリアのシドニー湾攻撃、マダガスカル島のディエゴワレス港の攻撃がよく知られています。特に真珠湾攻撃では5隻の特殊潜航艇が参戦し、10人中9人の乗組員が戦死し1人がアメリカ軍の捕虜になりました。
このとき戦死した9人の搭乗員は、後に「九軍神」と讃えられたエピソードは有名です。
終戦までに230隻前後生産され、特殊潜航艇に拘って戦死した人は440人に上るとされています。